テープ起こしをしていて、迷ってしまうことの一つに「相づち」をどう処理するかとういう問題があります。
「相づち」は会話中に、相手の話に合わせて入れられる間投詞です。会話はインタビュー、対談など、1対1の録音データには多かれ少なかれ、ほぼ確実に出てきます。普段、誰かと話していると、「相づち」なしには会話は成立しません。
相手の話を引き出したり、会話のテンポをよくしたり、相手の話をちゃんと聞いていますよという意味で、「相づち」を打ちますので、逆にこれが無いと不安になります。
余談になりますが、聞き上手と言われる人は大抵、相づちが上手だといわれます。
テープ起こしにおいて、相槌は困りもの
しかし、この相づち処理がテープ起こしにおいては、なんとも厄介になります。
例えば、話をしている本人は気づいていないかもれませんが、会話をしている最中、人にもよりますが、頻繁に相づちを打ち続けていることもあります。
それを聞こえたまま文字にしてみると、非常に読みづらい原稿となってしまいます。
ワンセンテンスごとに改行して「はい」とか「うん」とか入っていると、なんだかスカスカの内容に見えてしまいます。人は自分で思っている以上に相槌を打っているのです。
テープ起こしの起こし方によって処理方法は異なる
そこで、テープ起こしをする場合、過剰な相づちは、取り除きながら起こしていきます。そうすることで、文章として読みやすくなります。
テープ起こしで、「ケバ取り」という起こし方があります。
話の内容と関係のない余計な言葉や言い間違いを取り除いて起こす起こし方ですが、過剰な相づちを起こさないのもケバ取りの一つに含まれます。
素起こしという起こし方は、会話の分析等に使われます。これはかなりレアケースになりますが、起こし方もありますが、相づちも含め、会話の内容を可能な限り起こすというものです。
裁判の証拠資料としての素起こしもありますが、こちらは相槌をすべて厳密には起こさず、要所要所に入れるというケースが多いようです。
もちろん、相づちは、すべてが不要ということではなく、削除する程度や残仕方に関しては、個々のテープ起こしする人の裁量に委ねられます。
テープ起こしする目的、話の内容、話者の感情、心の動き、会話のニュアンス、起こした文章の読みやすさなど、総合的に考えてその場その場で瞬時に判断します。
相槌問題というのは、これが100%正しいうというのはありませんし、起こしているときにいちいち考えている暇はないので、感覚的な話にはなります。
テープ起こしをする側の個性も出ますし、テクニックが問われるところでもあります。読みやすく、かつ正確に起こすという点では起こし方は関係ありません。
テープ起こしの相槌に関してのまとめ
相づちは会話をすると必ず発生しますが、それをすべて起こしてしまうと、非常に読みにくい原稿となる懸念があります。
テープ起こしをする際は、業者任せにせず、相づち処理をどこまでするかという希望を作業する側に伝えることで、より良い原稿を手にすることができると思います。