テープ起こしの種類

裁判の証拠としてのテープ起こし

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テープ起こしの依頼内容で意外と多いのが、裁判の証拠用の音声からのテープ起こしです。

クライアントは弁護士事務所、事件の当事者(原告、被告)やその親族、企業の法務部など、さまざまです。

普通に生活していて、誰かに訴えられたり、誰かを訴えたりというシチュエーションはなかなかありませんが、もし裁判をすることになった場合、必要になるのが証拠です。

裁判所に証拠資料として、何らかの録音データを提出する場合は、録音した会話全体の音声データを提出した上で、それを全部を書き起こした反訳書を一緒に出す必要があります。

裁判側でも多数の係争案件を処理しなくてはいけない都合があるので、いちいち録音データを確認している時間がありません。

クライアントから裁判の依頼を受ける弁護士も同様に、その録音に本当に価値があると思っているなら、まずそれを全部を書き起こしてから持って来て欲しいわけです。

文字起こしされていれば、録音をすべて聞かずとも、原稿全体を流し読みした上で、会話の流れを把握して、一番問題となりそうなところの音声を実際に聞いて、話を進ることができます。

裁判に使用される証拠用の音声の種類と注意点

証拠として扱われる音声データ自体の内容も多岐にわたり、パワハラやセクハラ、離婚協議、懲罰委員会、遺産相続、交通事故、人事、労務関係、近隣トラブル、証人尋問など、クライアントごとにいろんな案件があります。

録音されたデータの状況は、電話や飲食店等での会話の録音、面談の録音、裁判、調停などでの当事者尋問の録音など、そのほとんどは良い録音状態でないため、聞き取りづらい案件も多いようです。

当事者間で冷静に話し合いが行われているものは問題ないのですが、双方が感情的になったり、一度に複数の方が言い争ったりという状況に発展した場合など、聞き取り作業ははとても難しいものとなります。

やはり金銭の問題や男女間のもめごとは、当事者は感情的に話される傾向があるようで、文字起こしの作業をする側にとっても、第三者でありながらも、つい緊張してしまうことが多いようです。

会話の交錯や発音が不明瞭な部分は、何度も聴き直しを行い、話者の特定や発言を出来る限り音声に忠実になるよう行う必要があります。

裁判の証拠用の文字起こし、テープ起こしについては、素起こし(丸起こし)で原稿を作成するのが最適でしょう。

テープ起こし業者はクライアントから送られた音声データを起こすとき、通常のテープ起こしに比べて、約3倍くらいの時間をかけて聞き直し、検証をしているところが多いようです。

証拠能力の高い文字起こしの原稿作成のためには、どうしても工数が多くなるので当然なのでしょう。

そのため、裁判の証拠としての文字起こしについては、通常の文字起こしに比べて高い料金の設定をしている業者が少なくありません。

不正確で、客観性のないテープ起こし原稿では、結果的にクライアントが裁判官の心証を悪くしてしまう恐れがあるからです。

裁判において原稿と音声データとの内容確認が行われ、裁判官は第三者として客観的に録音証拠を検証します。

その際に実際に話されていないこと起こされていたり、クライアンと有利になるような原稿の改ざんや編集をされているという印象を裁判官に与えてしまうと、裁判が不利になります。

こういった裁判の証拠としてテープ起こしを依頼するクライアントの中には、正確性を高めるために、同じ録音データを複数のテープ起こし会社に起こさせて内容を比較し、確認されるという方もいます。

手間もお金もかかりますが、より正確なテープ起こし原稿を作成し、証拠として使用したいという執念のようなものが感じられます。

まとめ

できることなら裁判の当事者にはなりたくないですが、もし、そうなってしまった場合、頼りになるのが証拠としてのテープ起こしです。

音声データを客観的に正確に起こしてもらうためにも、業者選びは慎重にしたいものです。実際に依頼する前に、無料でサンプル原稿を作成してくれるテープ起こし業者もありますので、問い合わせてみるのもいいと思います。

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