テープ起こしの基本事項 テープ起こしコラム

テープ起こしに資格は必要か

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さて、突然ですがテープ起こしに資格は必要でしょうか?

例えば看護師をしたいなら正看護師の国家資格が必要になりますが、テープ起こしはそういった資格が必要ありません。

そもそもテープ起こしには該当する資格自体が存在していません。逆に言えば、誰でもテープ起こしはできるのです。ただ、それで安定した収入を得られるかどうかはまた別の話になりますが。

誰でも取り組めるし、しかもタイピングも速く正確にできるから、すぐできそうな仕事なんだろうと思われる方も多いと思いますが、世の中そんなに甘くありません。

確かにタイピングが正確で早くできるのは、テープ起こしをする上で大切なスキルですが、それだけでは十分ではないようです。重要なのは、音声を間違いなく正確に聞き取る能力です。

テープ起こしのポイント 言葉を正確に聞き取る難しさ

例えば「雨」を「飴」や「橋」を「箸」に聞き間違えるみたいに、どこの国の言語でも同じかと思いますが、同音異義語による間違いがあります。

通常、話されている内容やイントネーション、文脈をつかんでいけば、明らかにそれは違うだろうというミスはしないものですが、ケアレスミスによる文字の変換ミスも起こり得ます。

「お受けする」を「OKする」や「エバリュエーション」を「バリエーション」など若干トリッキーな外来語の聞き間違えというのもあります。

手書きだと絶対に間違わない言葉もパソコンで入力して文字を変換すると、たくさん変換候補が出るため、思わず選択ミスをしてしまったなんていうことは、きっと皆さんもご経験があると思います。

対象の話し手が発言されている言葉を間違いなく正確に聞き取る。これは簡単なようで、非常に難しいのです。例えば訓練を受けたアナウンサーが原稿を正確に読み上げて、一語一句正確な発音で、正しいイントネーションの言葉の場合、誰がテープ起こしをしても、ほぼ正しい原稿ができると思います。

ただ、実際には、さまざまな録音状態、話し方、内容があります。

もちろん話される言葉は標準語だけではありません。関西弁もあれば、東北弁、九州弁などの地方の方言なんかもあるでしょう。早口で話す方もいるでしょうし、声がちっちゃい方もいるでしょう。

講演のように一人で話しているものは聞きやすいですが、会議や座談会などの複数の話者がいる場合、誰の発言かも特定しなくてはいけません。

録音状態もいいものもあれば、悪いものもあります。一般の方が録音する場合、ノイズが無くクリアな音質で録音するなんてほぼ無理だと思います。

スタジオのように周囲の雑音を排除して録音されていればベストですが、おそらくそのような案件はごくわずかだと聞きます。

コンディションの悪い、聞き取りが難しい音声から、いかに話者の声を正確に聞き取れるか。これがしっかりできないと、原稿のクオリティも当然下がってしまいます。思い込みで本来話されていない言葉を誤って起こしたりしてしまうのはもちろんNGです。

そして、人間は怖いもので、こうだろうと思い込んで聞いてしまうとバイアスがかかって、往々にして間違って聞こえてしまうものなのです。

そのため、テープ起こしを行う際は、思い込みを一切排除してニュートラルな気持ちで音声を聞くことが大切です。極端な話になりますが、例えばクライアントから裁判用の証拠資料として依頼された案件等で、「やらない」を「やった」と聞き間違って、原稿を起こしたりすると、クライアントに不利益を与えたりする可能性も十分にあるわけです。

人間のすることですから、100%完璧な原稿に仕上げることは難しいかもしれませんが、音声の聞き直しを十分行い、複数の目でチェックを重ねて完璧に近づけていかなくてはなりません。

テープ起こしを仕事とするなら、話を正確に聞き取るスキル、間違いなく入力するスキル、これらをブラッシュアップしていく必要があります。

テープ起こしのポイント 一般教養、幅広い知識、語彙力も必要

そしてさらに一般教養、幅広い知識、語彙力も必要になります。テープ起こしは、クライアントごとに実に多くの分野の案件の依頼があるので、IT、科学、物理、金融、政治、経済、建設、流通等、分野をあげればきりがありませんが、 クライアントの数と同じくらい、案件の種類、内容は多岐にわたります。

医学、IT、金融、経済に関する案件等は、それなりの知識がないと、何の話をしているのか検討がつかない場合がありますし、業界の専門用語もきちんと起こすことができません。

その分野に精通していなくても、業界独自で使われている用語、背景等、それなりの知識は必要になります。

資格が必要ないとは言え、簡単にはできそうにないですよね。。。やはりプロにお任せするのが良さそうです。

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