テープ起こしは、社会的認知度が低く、速記士のように国家資格、公的資格はありません。
とはいえ、テープ起こしで収入を得ようと思ったら、それなりの勉強が必要になります。テープ起こしの講座はいろんなところで受講可能ですが、そのクオリティはピンキリです。せっかく高いお金を払っても、何も役に立たなかったでは、お金と時間の無駄になってしまいます。
そこで、おすすめのテープ起こし講座を2つ紹介したいと思います。
老舗テープ起こし業者主催の「OCOS」
老舗テープ起こし業者(創業20年!)であるACNさんによるテープ起こし講座を紹介します。
テープ起こし講座の「OCOS」の受講期間は3ヶ月で、
1章:テープ起こし概要
2章:テープ起こしの基礎
3章:テープ起こしを効率的にするには
4章:テープ起こし用ソフトの活用
5章:テープ起こしのテクニック
6章:仕事としてのテープ起こし
という主に6つの章から成り立っており、順番に進めることによって着々とテープ起こしの知識が定着するようなカリキュラムになっています。
テープ起こしの基礎、起こし方のテクニック、話者特定の方法、録音状態の悪い音声の対処法、専用ソフトの使い方など初心者の方でも安心して取り組めるような講座内容になっているのが特徴的ですね。
サポート体制について
サポート体制もかなり整っているようで、「メールサポートは無制限、スカイプ、ZOOMを利用したオンライン通話サポートは1日1回まで」と、充実している印象です。
OCOSではいつでも疑問を解決できるように私、吉井にコンタクトを取ることが出来ます。小さな疑問はいつでもメールで相談することができますし、直接お話したい場合は、ZOOM・スカイプで相談することができます。対応時間内であれば、毎日サポートを使うことができます。
テープ起こし講座で音声サポートが用意され、なおかつ毎日使える講座は他にないでしょう。
OCOSではあなたの疑問を疑問のまま放置しません。
引用元:テープ起こし講座「OCOS」
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とあるように、サポート体制にはかなりチカラを入れているのがわかりますね。
課題と添削
ただ教材を読むだけではテープ起こしの力はつきません。
しっかりと実践に即したアウトプットすることが大事ですが、「OCOS」では、実践的な課題を複数用意しており、1つずつクリアしていくことでテープ起こしの技能が身に付くようになっています※提出された課題は現役の講師が添削してくれるというのも安心ですね。
認定書の発行
「OCOS」では認定書の発行を行なっていますね。講座を受けて認定を受けた証になるので、フリーランスで依頼を受ける場合も、テープ起こしを扱っている会社への求人に応募する場合にも、認定証の有無で結果は大きく異なると思います。
受注案件優先紹介
「OCOS」の大きな特徴がこちらだと思いますが、一般的に、テープ起こしの講座を受けても仕事がなければ意味がありませんよね?クラウドソーシングサービスなどに登録をしても、実績も無い方に仕事の依頼が多数入ることはほぼないと思います。
「OCOS」ではACNさんが受注したテープ起こし案件を優先的に紹介してくれるので、実績・経験を重ねる意味でもとても重宝すると思います。テープ起こしの技能を習得しても、お仕事にありつけないという心配がない、実績を重ねられるというのはかなり大きなメリットだと思います。
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テープ起こし技能講座「OCOS」の詳細はこちらより
一般社団法人音声テキスト化協会によるテープ起こし講座
次に、一般社団法人音声テキスト化協会が実施している、テープ起こし講座を紹介してみようと思います。
この協会は音声テキスト化(テープ起こし)技術の標準化を図り、音声テキスト化の技術者の一定の能力基準を設けた検定制度を確立し、社会的に認知された技術者が多様な就業形態で活躍できるような社会の実現に寄与すべく2016年1月に設立されました。
音声テキスト化技術者の一定の能力基準を確保するため、専門の養成機関および検定制度を確立することによって、社会的に認知された音声テキスト化技術者を恒常的に一般社会に輩出することを目的としています。
また、技術者が多様な雇用形態に適応できるよう支援することによって、ICT時代における人と社会に貢献することを目的としています。
「テープ起こし」とは、録音された音声をテキスト(文字・文章)にする仕事です。
簡単そうに見えるテープ起こしですが、日本語表記のさまざまなルールやテープ起こしのテクニックを知らなければ行えない専門技能です。
音声テキスト化協会の「テープ起こし講座」は、テープ起こしの経験がまったくない人でも、実業務でプロとしてスタートアップできるテープ起こし技術者(ボイテックスライター)を
養成するためのものです。
このテープ起こし講座は、特定の地域や機関だけの運用に留まらず、講座の運用ノウハウを含めて広く公開し、全国規模で講座の開設が行われるよう展開しています。
したがって、音声テキスト化協会は、講座を開設し運営したい全国のパソコン教室や通信教育事業者の方々に対し、講座運営に必要な教材・データ・システム等のすべてのリソースを提供し、
インストラクター教育および営業支援を含めて、その講座活動を全面的に支援しています。
テープ起こし講座の内容
テープ起こし講座は、実務を意識した全24科目で構成されています。
最初に「概要」として3科目あり、「テープ起こしとは」「全体の仕事の流れ」「書き起こしの手順」が解説されています。
身近な音声を録音して、それを書き起こしてデータ化して納品するまでの流れ、流れで聞いて書き起こし、聞き取れなかった部分の聞き直しから最後の確認までが学べます。
「書き起こしのテクニック」としては7科目あります。
「書き起こしのポイント」「ケバ」「話者」「頻出事例」「パソコンの活用」「校正」「オーダーメイドな要求」が解説されています。
テープ起こしで一番大切なのは、正確さです。書き起こしの種類やフォーマットとともにそのポイントやケバ取りのテクニック、話者の聞き分けノコツ、拍手や笑い声、長い沈黙等の表現方法、校正のやり方等が学べます。
「表記基準」は4項目で、「表記のポイント」「漢字・ひらがな」「カタカナ・ローマ字・数字」「約物」が解説されています。表記全般、漢字とひらがなの表記の使い分け、外来語や単位の表記、句読点等の約物の使い方が学べます。
「基礎知識」は2項目で、「音声データ」「テキストデータ」が解説されています。録音方法や録音機器、音声データの種類、WordやExcelでのテキストデータの作成方法等を学びます。
「事例演習」は7項目で、「スピーチ・講演・セミナー」「インタビュー・取材・記者会見」「会議・打ち合わせ」「対談・座談会・パネルディスカッション」「聞き取りにくい音声」「通話記録」「動画」が解説されています。
スピーカーの人数によって変わってくる起こし方のポイントや会話が交錯した場合や電話での会話、動画のテープ起こしのポイントが学べます。最後に「まとめ」として、プロフェッショナルとしてのテープ起こしの心構えが学べます。
まとめ
テープ起こしを仕事としてする場合、独学で勉強すると知識に偏りも出ますし、効率的ではありません。
やはりテープ起こしに特化した専門の機関で体系的に仕事内容を講座を受講した方が効率的ですし、集中して学べていいと思います。
上記の講座は2つともテープ起こしの現場で実際に業務を行っている人が教えるので、実践に即したカリキュラムですし、無駄がありません。